外壁塗装の目的やメリット・デメリットをご説明いたします。
外壁塗装には建物の美観を高める働きはもちろんのこと、外壁そのものを保護する・守るという役割があります。
「外壁塗装は必要ないのでは?」という質問を耳にすることがあります。
たしかに外壁の塗装・補修は工事を行わなかったとしてもすぐに被害が出るわけではないので、後回しにして、そのままでよいのかと考える方もいます。
筆者も職人であり現場へ作業に参りますが、よく職人達がいう台詞があり「もっと早く塗装を依頼して欲しかった」という言葉です。
なぜそう職人達はこう言うのかをこの記事にて説明して参ります。
外壁塗装リフォームは住宅にとって絶対に欠かすことが出来ないものなのです。
本日は外壁塗装の目的やメリット・デメリットをご説明いたします。
外壁塗装をする4つの目的
1.美観を整える
家を建てても10年位経つと紫外線で外壁の色が剥げたり、目地の痛みや汚れが目立ってきたりします。塗り替えを行うことで、新築の頃と同じような鮮やかな外観の美しさを取り戻すことが可能です。また元の色とは違う色で塗り直すことで、家の雰囲気を変えて、イメージチェンジもすることができます。
2.外壁の保護
外壁塗装は、建物を浸水から保護して、寿命を延ばすことも目的の一つです。水が浸入すると建物の断熱材が湿気を含んでしまい、カビが発生する原因になります。材木が湿気を含むと、白蟻が発生しやすくなります。建物の傷みが進行すると塗り替えだけでなく、外壁そのものを張り替えるなど大規模なリフォームが必要になります。
建物が雨漏りするようになると、このようなダメージ被害を誘発してしまうので、外壁塗装で予防するのです。最近はさまざまな塗装の材料が増えており、断熱性や耐震性機能、光触媒などで汚れや空気を浄化する機能も加わっています。
3.防水機能を高める
外壁塗装には防水性を高める効果があります。長い間、塗装を行わずに放置してしまった建物は防水性の低下を招き、建物の基礎部分まで腐食が進んでしまいます。それを防ぐためにも外壁塗装の必要性を理解し、低下していく防水性を定期的に高めていくことが大切です。
4.ヒビや剥がれを修繕し補強する
外壁の劣化の原因であるヒビや剥がれは、修繕を行うと同時に補強することにも繋がります。塗装工事を行う場合は、下地処理という工程も同時に行うので、強度が上がり雨風にも強くなります。
外壁塗装を行うメリット
建物の寿命を延ばす
外壁に塗料を塗ることによって、塗膜(塗料の膜)が形成されて、その塗膜が外壁材から雨水が浸入するのを防いでいます。建物にとって水は大敵です。内部に雨水が浸入しないよう、建物に色々な工夫が施されていますが、その数ある工夫の中でも一番外側の部分が、塗料の膜である「塗膜」です。
塗膜は日々紫外線や雨風にさらされていて、経年劣化によって防水機能が少しずつ低下していきます。すぐ雨漏りにつながるわけではありませんが、早めに塗り替え工事を行い、雨水の浸入口になりそうな場所を補修することによって、雨水の浸入を抑えられ建物の寿命をのばすことができます。
断熱・遮熱効果
断熱と遮熱は意味が違います。
■断熱
空気などを媒体として伝導する熱(伝導型熱)を、熱が伝わりづらい素材で覆って保温することを「断熱」といいます。断熱効果の高い素材を屋根や壁に取り付ける事で、年間を通じて冷暖房費の節約が期待できるのです。ただし、表面が高反射ではないため、ふく射熱が蓄積されますのでヒートアイランド対策には効果がありません。
■遮熱
太陽光は物にあたると、熱エネルギーに変換されます(ふく射熱)。 このふく射熱は主に赤外線波長の電磁波によるものなので、空気を媒体にせずに〇〇が伝わります。そこで、熱を反射させる機能を持った素材で覆うと、このふく射熱の発生を抑えることができます。これを「遮熱」と言います。屋上防水や屋根に遮熱塗料を塗ると、夏のふく射熱を抑制することができ、ヒートアイランド対策や節電効果も期待できます。
防カビ・防藻効果
カビや藻は、生活空間のさまざまな所で発生します。壁に繁殖すると美観を損ね、劣化にも繋がります。ASTEC(アステックペイントジャパン)の超低汚染リファインSi-IRは、「JIS Z 2911 かび抵抗性試験」、「藻抵抗性試験※同社実験」に合格した製品です。
カビや藻の発生を抑え、長期間美観を保持できる塗料という結果が出ています。超低汚染性で、水になじみやすい親水性に優れた塗膜を形成します。密度が高いので汚れが定着しにくく、付着した汚れも雨水が洗い流してくれるため、美観を長く保つことができるのです。
塗装をしないデメリットは、劣化を放置すると、建物そのものを痛めてしまう可能性があることです。例えば小さな雨漏りがありますと、そこから塗装面へのダメージはもちろん、外壁内部の柱等へ浸水、腐食の原因になります。
錆が発生していて放置しておくと、表面だけでなく内部まで錆がまわり金属が崩れ落ちてしまいます。そうなると塗装では補修できなくなり、貼り替えなどの大掛かりなリフォームが必要になり、施工金額も高くなります。
塗装しないで放置するデメリット
まとめ
外壁塗装の目的やメリットを紹介しましたが、外壁塗装を行うことによるデメリットはとくにありません。あえてお伝えするならば、外壁塗装の効果は永久的ではないので、定期的な塗り替えが必要になるという点です。
塗装の工事には費用がかかりますので、家主様への負担になる場合もあります。外壁を守るためには塗装の他には手段がないので、家を維持するためには外壁塗装が必要なのです。外壁塗装は、塗装を行う前に下地補修を行います。あまり劣化がひどくなってから塗り替えを行った場合は、外壁自体に傷みが生じている場合もありますし、補修の費用も高くなります。
そのため外壁そのものにダメージが起こる前に早めの塗装を行うほうが、効率よく経済的である場合が多くなります。外壁の塗装を検討する際は、事前に複数の施工業者に見積りを依頼して、相場を確認しておくなど計画的に行っていくことが大切です。
「塗装をするには少しタイミングが早いのでは?」と感じることもあるかもしれませんが、塗装面ではなく住宅そのものの保護に直結してくることなので、見積とまではいかなくとも一度現地調査だけでも見てもらうのもよいと思います。
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